小学生で「文章題が苦手」という子がいますが、はっきりいって、文章題が苦手なまま中学生になると、将来、受験で苦労します。

石川県の高校入試の数学は60%が文章題です。単なる計算問題やワークで見たことのある問題を、覚えて、そのまま解けば良い問題はわずかです。見たことのないテーマで出題されています。

大学入試共通テストでは、数学だけではなく、全科目文章題が中心です。初見の文章や資料を読んで、早く・正しく理解し、それを各科目の知識で解く問題です。

低学年のうちに文章題に強くなりましょう。そのためにすべきことは、特別な訓練ではありません。丁寧に問題を読み、問題の意味をよく理解し、図をたくさん使い、答えを出し、そのことを喜ぶ。これだけのシンプルであり、当たり前の学習プロセスが必要です。

この時に最も注意すべきことが2つあります。1つめは決して大人が教えないこと。大人が教えるのは、大人が代わりに解くことです。子供が自ら解いたことだけ2つめは、大量の宿題・課題を与えないことです。量を増やせば、宿題を終わらせることが目的になり、考えずに乱暴に与えられた作業を終わらせる習慣が付いてしまいます。

繰り返します。

丁寧に問題を読み、問題の意味をよく理解し、図をたくさん使い、答えを出す。

これは、東京大学・京都大学・大阪大学の入試問題を解くプロセスと同じです。勉強における最も高いゴールの1つと言える、超難関大学の入試で求められる学力を付けるには、考えずに高速処理をする学習ではなく、その逆の丁寧な学習なのです。

ところが、さっと問題を読み、問題の意味よりも慣れで答えを出すようなトレーニング方法や、大量の宿題をこなして満足するような、真逆の教育法も巷に溢れているのが現状です。それで、真の学力がつくことはありません。